ジェルネイルをやったことがある方なら、誰でも体験したことのある「熱さ」。ライトで照射している時に起こるあの熱さは「硬化熱」と呼ばれています。
中には硬化熱がトラウマとなって、ジェルネイルを諦めてしまう人がいるほどで、セフルユーザーやネイルサロンのお客様を悩ませる問題のひとつです。
今回はその原因と対策についてご紹介します。
ジェルネイルが熱いと感じる原因
ジェルネイルはマニキュアと違い、ジェルと光の化学反応によって硬化します。詳しく言うと、ジェルに含まれる重合開始剤が光を吸収して「ラジカル重合」と言う化学反応を起こすことによって、硬化されていきます。
物質が変化する際の化学反応には必ず熱の出入りが伴い、例えば物が燃えると熱が発生するのも、物質と酸素が化合する化学反応です。
ジェルネイルの仕組み上、この化学反応は避けては通れませんので基本的には硬化熱が発生しないジェルネイルは存在せず、ジェルネイルが熱いからと言って、不良品というわけではありません。
実際どのくらい熱いのか
硬化熱の温度に影響する要因として主に、
- ライトの光の強さ
- 光源からの距離
- ジェルの量
- ジェルの成分
などがあり一概には言えませんが、独立行政法人国民生活センターのテストによると、某メーカーのジェルではライト照射の9秒後には最高温度となり、ジェルを厚く塗布したところは60度から65度に達していました。
人間の皮膚は、60度の場合10秒で、また70度の場合は1秒でやけどをするので、爪の上に塗るものとは言え使い方次第ではやけどのリスクもゼロではありません。
通常ベースジェルやカラージェルに比べて、トップジェルの方が硬化熱は高く、特に未硬化ジェルの出ないノンワイプタイプの場合は温度が高くなる傾向に。実際グランジェのトップジェルポリッシュはノンワイプタイプで、通常の量では問題ありませんが、厚塗りをしてしまうと熱さを感じます。
爪の薄い方は温度を感じやすいために特に注意が必要で、またカラージェルを使わずクリアだけで仕上げる場合も、硬化熱がダイレクトに伝わるのでご注意ください。
熱さを避ける方法
ジェルの量を最小限に
硬化熱を強く感じるケースのほとんどが、トップジェルの厚塗りをした時や通常より多めに塗ってしまった場合で、必要最小限の量を塗ることでかなり軽減されます。
もし厚塗りで仕上げたい場合は、トップではなくベースの量を増やしてください。カラージェルの量を増やすと、硬化までかなりの照射時間が必要となりますのでおすすめしません。
ライトを遠くから当てる
光が強いとそれだけ化学反応が強くたくさん起こるので、硬化熱も高くなります。つまり一気に硬化させず、少しずつ硬化をしていけば高い温度を避けることになります。

光の強さは距離と(2乗)反比例するので、グランジェのライトのようにペン型の場合遠めから照射することによって硬化熱を調整できます。
通常3-5cmの位置から照射するように案内していますが、特に最初は8cmくらいの位置から照射し、熱さを確認しながら近づけてください。
最初のピークの温度が高くなければ、その後ライトを近づけてもそれ以上に高くなりにくいため、慣れれば簡単な方法です。
置型ライトの場合は光源からの距離を取れないので、少しずつ硬化させるには手を出し入れして硬化の進め方を調整するしかありません。もしくは6W程度の消費電力の低いライトを選びましょう(ライトの消費電力と硬化熱は単純に比例しない場合もありますが、詳しくは改めて記事にするつもりです)。
いずれにしても、ゆっくり硬化させることになるので通常より長めの照射時間が必要となります。
まとめ
実際には熱さが出にくいジェルを作ることはできますが、その分硬度や艶が出来くいジェルになってしまう、というパラドックスが存在し開発者たちを悩ませるところです。
ジェルネイルの美しい艶を手に入れるために、熱さというリスクがあることを知った上で、うまくジェルネイルとお付き合いいただければと思います。
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