足の爪の形、正しい?フットネイルに適した爪の形と切り方とは。


こんにちは。ネイリスト講師の三浦です。

フットネイル、ペデュキュア、足の爪先が出る季節になりましたね。今年はどんな色にしようか、手の爪にはできないような色も足ならチャレンジしやすかったり、ネイルを楽しむ幅も広がります。
どうしようか考えているとついつい、他の人のサンダルからのぞくフットネイルに目が行ってしまったりするもの。

足の爪にジェルネイル、ポリッシュ、どれだけきれいにカラーを乗せていてもどうしてもひとつだけ、残念な自己流感が出てしまうポイントがあります。

仕上がりのクオリティとしてひと目でわかる、プロと素人を分けてしまうもの、完成度を左右してしまうもの。
何かわかりますか?

そう、それこそが爪の形なのです。

足の爪で特に目立つのは、一番大きい親指の爪。
アートする場合も親指をメインにすることがほとんど、とにかく良くも悪くも目立ち、この親指に合わせて他の4本の爪も整えます。

今回は、意外と知らない正しい足の爪の形についてのお話です。

正しい爪の形は見た目の美しさはもちろん、実は体の機能としても重要なもの。

年齢も性別も問わず、運動機能だけでなく、今後、深爪や巻き爪になる確率はこの爪の形が大きく影響を与えたり、10才以下のお子さんなら足の成長や姿勢、骨の形成にも深く関わってきます。

一生つきあっていく足の爪の整え方は、誰でも絶対に知っておいて損はないもの。
今回は正しい爪の形とその整え方についてです。

目次

    正しい足の爪の形とは

    「ずっと今まで自分で爪切りで切ってました」、というフットネイルがはじめての方や、ジュニアや男性のスポーツフットケアをお受けする時、8割以上の方は正しい爪の形をしていません

    こんな感じの爪の方がほとんどです

    長すぎるケースもありますが、ほとんどが短すぎる、丸く切りすぎているのが現状です。
    爪のフリーエッジ(先端の白い部分)のラインに沿ってギリギリまで短くする、こんな切り方をしていませんか?
    「爪は短くすればするほど安全で清潔」というのが、一般的には正しい爪の切り方として広く認知されているのも現実で、とにかく短く、きれいに丸く、切られている爪が多いのです。

    足の爪の長さはどのくらいがいい?

    長すぎるのはもちろん良くないですが、かと言って短すぎれば今度は深爪や巻き爪、陥入爪等の爪トラブルを引き起こす原因になりかねないのが爪の長さ。

    ネイルサロンではごく稀に、手の爪と同じように足の爪を長めにしたり、長さ出しをしてネイルアートをしたいというお客様がいらっしゃいます。

    海外では見かける足のロングネイルスタイルですが、ほとんどは生活感のないシーンでのもの。
    私のところでは基本的に、爪の補修として必要なケース以外は安全面からお断りしています。

    足の爪が手の爪と大きく違う点は、長さをデザインの一部として扱うということができないということ。全体重を支え、運動機能として重要な役割をしている足の爪においては、特殊なケースを除いて理想とする長さは決まっています。

    上の写真のように、爪の長さは爪の先端と皮膚が同じラインか、少ーしだけ長めの1ミリ以内が正解。意外と知られていませんが、実は指の骨は指先に向かって細くなり、先端までは骨が達していません。

    代わりに爪が指先端のお肉の部分を先端までしっかりと覆って下からの爪圧を受け止め、そうすることで地面をしっかり踏みしめて歩くことができるのです。

    爪を切る時に、先端のフリーエッジが残さないように切っていくことが多いと思いますが、爪の長さは指で触れて爪の長さと皮膚が同じ高さが基準です。

    足の爪の形は丸?四角?

    爪の長さと同じように重要なのは爪の形

    丸く短く切ってしまうのはNG!

    出典:YUKOMIYAZAKI Berkeley,California Foot & Ankle Doctor

    実際、こんなふうに爪のフリーエッジの曲線に合わせて丸く切っている方がほとんどではないでしょうか。

    正しい足の爪は、四角く切る
    その尖った角だけをファイルでそっと落とす、スクエアオフ型。

    私もネイルの仕事をするまでは、白いフリーエッジの幅が均等で手の爪みたいになだらかに切れたらうまくできたと思っていたし、なんの疑問もなくそうしていました。
    なので、きちんと爪の生理学や運動理論を勉強していくうちに、ずっと危ない爪の形で過ごしていたことを知った時は衝撃でした。

    5本全てがきれいなスクエアオフ型

    出典:vnailweb.com

    この形にすることで、足の痛みやトラブルを予防できるだけでなく、足指にかかる圧力に抵抗できるようになること、そしてその機能をしっかり維持することができるのです。

    足の爪の形の整え方

    正しい足の爪の形は前述したようにスクエアオフ型

    手の爪はすべてネイルファイル(爪やすり)で削って整えることを推奨していますが、足は爪切りを併用が効率がいいです。

    なぜなら、足の爪は手の爪よりも厚みも硬さもあるため、全部ファイルで削るのは時間がかかるだけでなく誰かにやってもらうのでなければ体勢もかなりしんどいから。

    ちなみに、足の爪に使う爪切りは、刃の形がカーブではなく直線のタイプが断然使いやすいので、おすすめです。「足用爪切り」で検索してみてくださいね。

    ①お風呂orフットバス15分

    はじめにお風呂かフットバスに15分程度浸します。

    汚れや雑菌を洗い流すだけでなく、爪周りの硬い皮膚や角質を柔らかくすることで、爪切りやファイルをしっかりと入れ込みやすくできるため、ここはとても大切な工程。

    水気を拭き取ったら、ネイルオイルや水を含ませた綿棒かウッドスティックで、キューティクルエリアと爪の両サイドにはりついた角質を取り除き、最後にウェットティッシュで拭い取ります。

    爪と皮膚の境目を切り離すようにくっきりとさせたらこの後の爪切りがかなりスムーズになります。

    フットジェルネイルをする前日にこのケアをすると、爪の形が大きくきれいなだけでなくジェルのもちが格段にアップするのでぜひ試してみてくださいね!

    ②爪を横にまっすぐカット

    刃先だけで少しずつカットしていく

    爪切り、ネイルニッパー等で爪の根元と平行になるよう、端から少しずつ直線に刃先を動かしてカット。
    長さは指の高さと同じにするため、後でファイルで整えられるように少し長めにしておきます。

    ③スクエアオフ型に整える

    力を入れずに真横にスライドさせて動かす

    まず長さを整えます。180G程度のファイルを短めに持ったら、一方向に直線に動かして整えます。
    この時点では角が尖ったままでOKです。

    皮膚への食い込みがないように角だけを落とす

    次に、爪の両サイドの皮膚の部分をしっかりつかんで引き下げ、爪が露出するように持ったまま、爪と皮膚の間にファイルを入れ込みます。
    根元側から爪先方向に動かして、尖ったところだけを落とします

    体重をかけた時に爪角が指に食い込まないか、隣の指に当たったりしないかもチェックしましょう。バリや引っ掛かりがないか、スポンジバッファをひと回り当てて完成。

    爪トラブルの原因!やってはいけない爪の形

      出典:親和クリニック

    正しい爪の形はスクエアオフ型だけ
    でもそれ以外の形、なぜ短い爪や丸く切ることがダメなのでしょうか。
    ここでは、そのままの爪の形でいたらどんな影響があるのか見ていきます。

    深爪、短すぎる爪

    特に親指が短すぎる人が多い

    出典:northwich foot clinic

    これも、良かれと思ってやってしまう危険な爪の形です。

    爪の先端が靴に当たると危ないから短くする、というのは当然です。
    でも、問題はその爪の長さが短すぎるという点。
    足の爪は、歩くたびに下からグッと圧力がかかり、爪がそれを受け止めているのが正しい状態。

    爪が短くて先端まで覆えていない状態

      出典:Athlete salon

    爪が短すぎて指先まで覆えていない場合、下からの圧がかかると、爪より先端にある皮膚を押し上げて硬く盛り上がるようになり、爪が埋もれた状態になります。

    そうなるとこの皮膚の壁が爪が伸びるのを邪魔してしまい、その結果、分厚い爪や凸凹の爪、巻き爪を引き起こす原因となります。

    バイアスカット(斜め切り)

    中指と薬指がわかりやすいバイアスカット

    子供や男性に多く見られますが、グリップ型の爪切りで両サイドから斜めにバチバチ切っただけの形、バイアスカットと呼ばれます。
    細かく切るのがめんどくさいから、爪の角が当たりたくないから、という理由をよく聞きますが、実はやってはいけない切り方。

    爪は3層構造になっていて上から、縦・横・縦になっています。

    たとえば、爪と同じように縦と横の繊維で構成されている布を斜めに切ってみるととてもわかりやすく、カットしたところからくるんと斜めに内側に巻いてきます。
    これと同様のことが爪でも起こり、これも巻き爪の原因になってしまうのです。

    バイアスカット、深爪、どちらも深刻な爪トラブルの原因になってしまうなんて。
    実際痛みで歩けなくなって病院に行くまで考えもしなかった、と後悔したくはありませんね。

    そして、ひとたび爪トラブルが起きてしまうと、時間も手間もお金もかかる上に
    元のきれいな爪に戻る可能性はかなり低い、ということは専門医を受診してはじめて知る人がほとんど。

    トラブルになってからでは遅く、爪は予防が一番大切です!
    どちらの爪のケースも、爪が伸びるたびに少しずつ、必要なところだけにファイルを当てて正しい形に近づけていきましょう。

    足の爪は手の爪よりも伸びるのに時間がかかり、だいたい1日に0.05mm、1ヶ月で1.5mm伸びます。

    個人差はありますが、爪を切る頻度は1ヶ月に一度くらいが目安。
    こまめに形と長さを整えることができるならファイルだけでも充分です。

    爪切りは一度に挟んでカットするのではなく、少しずつ刃先を進めながら、最後にファイルで尖った角を落とすのも忘れないでくださいね。

    足専用の爪切り、自分で切る用、誰かの爪を切る用、実は爪切りはとても奥深いので、ぜひ検索してみてください。そのうち、足の爪切りにはどんな種類があるのか、選び方のお話もできたらと思っています。

    無意識に間違った形で過ごしてしまう人がほとんどという、足の爪の形。

    でも一度正しい形に整えられたら、あとは維持していくだけ、歩き方や体幹バランスも変わってきます。
    見た目の美しさだけでなく体の機能としても大事な足の爪。
    自身だけでなくまわりの人の爪も一度チェックしてあげてくださいね。

    参考
    医者が教える多くの人が知らない正しい爪の切り方 
    ケアソク
    Palmetto State Podiatry


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    by miura