こんにちは。ネイリスト講師の三浦です。
先日、グランジェから新商品『マットトップジェル』が発売されました。
マットトップジェルは、カラージェルの後に塗るといつものツヤツヤではなくマットな質感に、いわゆるマットネイルに仕上げるもの。
ツヤを抑えるだけで、いつも使っているカラーをモードな雰囲気やクールな印象に変えてしまう、なかなかインパクトのあるアイテムなのです。
ジェルネイルはツヤ!というイメージとは真逆なので、マットトップジェルはまだ使ったことない人も多いかもしれません。
その見た目は「すりガラスのような」と表現されることが多く、意外とどんなカラーにも馴染みやすくシックに仕上げてくれ、秋冬のファッションとは特に好相性。
今回は、新商品『マットトップジェル』の特徴やベーシックな使い方から、フレンチやネイルシールがうまくいかない悩みを解決する簡単テクニック、そして、爪の縦筋を解決する裏技までお伝えします!
マットネイルって何?
その名のとおり、表面をマットに仕上げるネイルのこと。
ジェルでもマニキュアでも、最後にマットタイプのトップを塗って完成させます。トップジェルの場合、完全硬化する・しないは各メーカーによって異なり、拭き取りが必要なものもあります。
マットネイルの見た目
マットトップジェルの仕上がりは、前述したようにまるで「すりガラス」。
いつものツヤツヤなネイルとはまた違う、シックな雰囲気が漂うマットネイルは、ロングだけでなくショートネイルとも好相性。
ワンカラーなのにマットに仕上げるだけで、絶妙なヌケ感がおしゃれに見せてくれるから、忙しい人やシンプルネイル好きにもおすすめです。
・質感をマットにしたらまるで違う色!
マットを塗るだけでだけでイメージは全く変わります。
同じカラーでもまるで別の色のように楽しめるのがマットネイル。
・個性派パーツも取り入れやすい
写真のようにちょっと個性的なパーツですらスッと馴染んでしまうのもマットネイルの魅力。
不思議とどんなものでもモードな雰囲気に仕上げてくれます。
・マットネイルならラメも黒もシックな大人仕様に
手には使いにくいと思われがちなダークな色や、お仕事では難しいキラキラのラメも、マットで仕上げれば柔らかいニュアンスに。
ツヤの主張がない分、ちょうどいいヌケ感があるのでトライしやすく、大人にもおすすめです。
買ったけど出番があまりないまま眠っているカラーが活躍してくれるかもしれません。
マットトップジェルの質感
一般的に、マットトップジェルの表面は触るとどれもほぼザラザラ。
対して、グランジェのマットトップジェルは、もっときめ細かくてとてもなめらかな質感です。
私も仕事上、様々なメーカーのものを試しましたが、触った瞬間その違いにびっくりしたほど。
まるで密度の高いベロアみたいで、ついつい触りたくなってしまうクオリティです。
マットネイルでよくあるトラブル
マットネイルにありがちなお悩みは、「完全にマットにならない」、「汚れやすい」の2つではないでしょうか。
ではこの解決法を順にご紹介していきます。
・マットにならない!
まずマットにならない主な原因は、薄く塗りすぎ、ライト照射が不十分、最後の拭き取りがうまくできていないなど。
そして、マットならではの特性で、使う直前にしっかり撹拌(混ぜ合わせる)の必要があるものも多く、これはマットに仕上げてくれる粒子がジェル容器の底に沈殿しやすいため。
しっかり混ぜられていないと普通のトップジェルのようなツヤのある仕上がりになってしまうのです。
この「マットにならない」問題は、ノンワイプ(拭き取り不要)、さらに撹拌不要のグランジェのマットトップジェルで解決。
私も何回も試しましたが、しっかりマットな質感に仕上がり、塗りムラでマット具合にもムラが出る、なんてこともありませんでした。
塗ってから少し待ってなじませれば、勝手にムラなくレベリングしてつるんと均一に広がってくれるところも、初心者には安心ですね。
・マットネイルは汚れやすい
マットネイルをしたことがある人なら知っている、日にちが経つと気に入っていたネイルが汚れてしまうという残念すぎるマイナスポイント。
大抵の場合、ツヤ消しマットネイルの表面は、ざらざらした細かい凹凸になっています。
いつものツヤツヤのネイルとは違って摩擦が起きやすく、何かに触れたり擦れたりするうちにどうしても汚れるリスクは避けられない。
さらに、繊維、ホコリが引っかかると爪の周りに集まりやすく、特に白系のマットネイルは目立ちやすい。
マットと好相性の白系は人気が高いのですが、汚れや黄ばみ・変色もしやすいのが難点でした。
ネット上には、汚れることを前提とした拭き取り方や、汚れが目立ちにくいカラーのおすすめばかりで、もはや好きな色ではなく汚れない色を選ぶ状態。
でも、グランジェのマットトップジェルは、すっかりこのへんの問題をクリアする、引っかかりのないスベスベなめらかな表面。
実際、私がグランジェのマットトップジェルをつけてから一週間たっても、汚れが気になることはまったくありませんでした。
・厚みと強度はない
デメリットとして挙げるなら、マットトップジェルには厚みと強度がないという点。
通常のトップジェルと比較するとここは大きな差があり、薄い爪の補強用としては、単体では不向きとも言えます。
とは言え、使い方次第でもあるのでそのあたりは後述で!
マットトップジェルの使い方
マットトップジェルってどのタイミングで塗ればいい?
いつものトップジェルの代わりになる?
今さらきけないマットトップジェルの基本の使い方から解説します!
マットトップジェルを塗る手順
まずクリーナーを含ませたキッチンペーパーでで爪表面の汚れや油分を拭き取ります。
①ベースジェルを塗る・10秒ライト照射
②カラージェルを塗る・10秒ライト照射×2回
(カラーは2度塗り推奨)
③マットトップジェルを塗る・20秒ライト照射
たったこれだけで完成!
マットトップジェルは極薄のベロアのような皮膜で、前述したようにトップジェルのような厚みや強度はありません。
通常のツヤツヤのトップジェルと同じく20秒完全硬化、拭き取り無しで完成なのでトップジェル代わりとしてもお使いいただけますが、爪が薄い・ジェルで爪補強もしたい場合は②の後にトップジェルを塗って、最後にマットトップジェルでコーティングしてみてくださいね。
マットトップジェルの意外で優秀な使い方2つ
実は、ジェルネイルをマットなデザインに仕上げるだけがマットトップジェルではないのです。
今日は、こんな裏技を2つご紹介します。
爪の縦筋を消す
1つめは、爪の縦筋を消して健康な自爪に見せる方法。
爪の縦線は気になるけど、ネイルを塗って隠す、ということができない人もたくさんいます。
※爪の縦筋の原因と対処法はこちら
例えば、飲食業や医療従事者の方。
それから、男性に多い、爪に何かしていると思われたくない、周りの目が気になってしまう方。
でもこの方法なら、目立たずまるで自爪。
透明マニキュアや爪磨きよりも簡単。
シールみたいに剥がせるから爪も傷まずジェルネイルオフも不要。
そして、短時間でできてしまう手軽さです。
人によっては爪がツヤツヤに光るのは困ることもあるため、自爪のように見える絶妙な質感は本当に助かります。
手順はたった2つだけ。
①ピールオフベースを塗ったら約1分乾かす
②マットトップジェルを塗り20秒ライトを当てる
かかる時間もごくわずかで、見た目もまるで自爪。
言われなければジェルを塗っているようには見えません。
薄付きで、微粒子でなめらかなマットトップジェルだからこそできる、この方法。
そして、自爪に似た質感で厚みがないから、爪が伸びても境目がほとんど目立たない、という点も大きなメリットです。
浮いてきたりかなり伸びたら、ピールオフベースなのでシールのように優しく剥がすだけでOK。
もし、もっとしっかり定着させたい、剥がれにくさを優先するならピールオフベースの代わりに通常のベースジェルをおすすめします。
これだけ薄付きだどすぐ剥がれてしまうんじゃないかと思ってしまいますが、ピールオフベース+マットトップジェルのどちらも極薄の被膜。
自爪にピタッと密着して一緒に柔軟にしなるので、硬さのあるジェルネイルよりもむしろ自爪から浮きにくいのです(個人差や塗る厚みで多少違いはあるかもしれません)。
爪の縦筋で困っている、今すぐどうにかしたい、という人は一度試してみてくださいね。
ネイルアートが失敗しなくなる
2つめは、ネイルアートの前にマットを1層をはさむだけでもう失敗しないという方法です。
例えば、簡単そうなのにやってみたら意外と失敗しがちなこのあたり。
・フレンチ(均一にできない、境目がぼやける)
・ネイルシール、ラインテープ(貼れない、浮く)
・細い線、細かいアート(細く均一に描けない、にじむ)
アートをする場合、クリアやカラージェルを硬化した後、ベタベタする未硬化ジェルが表面に残っているところにするのが通常で、この残った未硬化ジェルこそが実はアートを難しくする要因。
(※未硬化ジェル:ライトを当てても表面が完全硬化しないジェル)
未硬化ジェルの上に細い線を描けば、ジェル同士がお互いに混じり合うようにどんどんにじんでいくからです。
そして、これを解決してくれるのが、マットトップジェル。
マットトップジェルを塗って20秒完全硬化させると、未硬化ジェルがない状態になります。
未硬化ジェルがある場合と、比較したのがこちら。
少し時間をおくとにじみ方にこれだけ差が。
特に線をクロスさせた部分のにじみ方は全然違います。
きれいに細い線が引けるのも断然マット!
浮いてしまうシールの端を押さえて硬化させたり、ハネた端を埋めるためにトップジェルを大量に盛ったり。
どうにかしたい!
実際こんなお悩み相談をいただいています。
マットなら位置がズレたら貼り直しだってOK。
しっかり指で押さえて貼り付けられる。
手軽なはずのネイルシールに煩わされることはもうありません。
人気の高いフレンチは、主に顔料の多い白を使うため、失敗したら拭い取るのは難しく、修正ができないものでした。
失敗を隠すために塗り重ねて、爪の先端だけぷっくり膨らんでしまうことももうありません。
3つとも共通するのが、マットトップジェルならやり直しができるということ。
失敗したらクリーナーできれいに拭き取ってしまえば、下のカラーはそのまま、何度だってやり直しができるんです。
アートやフレンチも時間が経ってもにじんだりしないので、慎重に時間をかけることができるのも初心者には嬉しいポイント。
上手くできたらライトで硬化させ、最後にトップジェルかマットトップジェルを上に塗って完成です。
アートの下地に使うマットトップジェルを、通常のトップジェルでは代用できないのかと思うかもしれませんが、代用はおすすめしません。
トップジェルはマットと違って仕上がり表面はツルツル。
できたアートの上から再度トップジェルをコーティングしようとすると、硬化の時にジェルがツルツル面の上で縮みやすくなってしまうからです。
そして、トップジェルが重なるとかなり厚みもででしまうのもマイナス。
マットトップジェルはトップジェルと比べて極薄の層なので、アートの土台として重ねても厚みが出ず、見た目に影響しないのも優秀なのです。
個人的に、ネイルを難しくさせる要素のひとつが「一度塗ったらやり直せないところ」だと思います。
完成させるか、全やり直しか。
これはセルフネイラーでもプロネイリストでも同じ。
未硬化ジェルの上の失敗部分を拭き取れば、一緒に残すべき未硬化ジェルまで取れてしまいます。
そうなると、ジェル層同士の密着が弱くなりジェルネイルのもちが悪くなるデメリットも。
だからこそ「失敗したとこだけやり直せる」というのは、すべてのネイルユーザーにとって本当にありがたいのです。
失敗できない変な緊張感がなくなれば、ネイルはもっと気楽に楽しめるはず。
マットトップジェル、なかなか侮れません。
『すりガラスのような質感でおしゃれを楽しむ』のがもちろん王道ですが、もうちょっとだけ奥深いのです。
個人的には、クリア+マットに爪の先端だけに差し色を入れる、究極のミニマムネイルにハマってしまいそうです。
塗りにくい利き手もはみ出しを気にしなくていい、爪が伸びてもほぼわからない、このメリットだけでも満足ですが、マットにワンポイントカラーのヌケ感が、いつものアクセサリーやファッションを新鮮にみせてくれるのも新しい驚き。
アートの土台として、縦筋が気になる自爪の代わりとして、色んな人に試していただけたらと思っています。
使いにくくて眠っている色、上手くできなかったアート、ネイルはできないけどきれいに見せたい自爪、隠したい縦筋のある爪。
この、みんながなんとなく仕方ないとあきらめているうっすらな悩み事、マットトップジェルが救世主になってくれるかもしれません。