爪やすり(ネイルファイル)の種類とお手入れ方法。 セルフジェルネイルで必須アイテムの基礎知識をネイル講師が解説します。


こんにちは。ネイリストの三浦です。今回は、実は意外と多くの人が間違って使っているネイルファイルについてわかりやすくお伝えします!
単純に爪を切るだけではなく、自爪でもセルフジェルネイルをする上でも必ず必要となるのがネイルファイル、いわゆる爪やすりです。

ネイルファイルと言ってもその種類も素材も様々で、「何が必要?」「どう違うの?」「使い捨てなの?」「お手入れってみんなどうしてる?」実は知らない事も多いと思います。今まで普通に爪切りでしか切ったことがなかった、その裏側についている金属製のやすり部分で仕上げしていた、という方にとってはわからなくて当然です。
シンプルに最低限必要な種類、そして大切なお手入れ方法について、セルフネイル派もすっぴん爪派もこれさえ知っておけば大丈夫。

目次

    ネイルファイルは4種類だけ知っていればOK!

    左から①、②、③、④

    ネイルファイル(爪やすりもここでは総称してこう呼びます)の覚えておきたい種類は次の4種類だけ。
     *粗さ=G、グリッドという単位についてはのちほど

    エメリーボード 自爪の長さを整える用。おすすめの粗さは180~240G程度、薄く、木や紙の板にヤスリが貼られている。

    ②ウォッシャブルファイル 人工爪用。ジェルネイルはオフの時のみ使用、150~180G程度、①より粗く厚みもある。真ん中にプラスチック板が入っていて繰り返し洗える。

    スポンジバッファー 仕上げ、爪表面(自爪、人工爪)用。150~240G程度、真ん中にプラスチック板が入っていて③同様に洗える。

    ④シャイナー 爪磨き用、自爪やスカルプチュアの表面にしっかり圧をかけて磨く。もともと高価なうえに摩耗したらすぐ交換が必要なためいちばん贅沢ともいえるネイルファイル。

    ①~④のうち、セルフジェルネイルなら①、②、③があれば充分です。
    ④は爪表面を薄くするリスクがある事とジェルネイルの定着が悪くなってしまう為、ポリッシュを塗る前やすっぴん爪の時以外は基本使いません。

    人工爪用か自爪用か?

    ネイルファイルの大きな分類の1つが、人工爪用か自爪用かです(人工爪はジェルネイルやスカルプチュアがついている爪)。
    人工爪用の方が目が粗くできていて、ジェルネイルオフの時リムーバーを浸透しやすくする為にトップジェルの層を削ってキズをつけたり、ジェルネイルが乗った状態で先端を削って長さを整えるのに使用します。目が粗いとたくさん削れますが自爪への使用はダメージを与えてしまうリスクがあるので、使い分けは必須です。人工爪、自爪のそれぞれに適したネイルファイルを選びましょう。

    ネイルファイルの粗さ、グリッド数って?

    よく表示されているグリッド数とは簡単に言えばファイルの粗さの単位で、1インチ(=2.54cm)の面積の中にどれだけのやすりの粒があるかという事。

    その数値が小さいほど目は粗くなるのです。数字で印字されていて、表裏で粗さが異なるものが多いので上手に使い分けてくださいね。
    前述した①~④のネイルファイルのグリッド数は私がネイルのお仕事で長年使ってきた経験から、作業効率がよく安全で爪を傷めにくいと判断しておすすめする目安なので迷ったらぜひ参考に。

    両面Gが違う場合はこまかい面から使うと安心

    家族でネイルファイル1本を共有しても大丈夫?

    これも、何本買うか考える時点でとっても重要なポイント。昔からある金属製の折りたたみ式爪切りを家族全員で使ってることを思ったらみんなで1本でいいと思ってしまいがちなのですが、実はひとりひとりが自分専用のものを持つことは感染症予防対策としても重要なんです。

    それから手と足用を使い分けることも感染予防の視点からはとても大切
    足の爪には本人ですら無自覚の雑菌がいっぱいで、その代表的格が水虫です。これは原因のほとんどが、知らないうちに誰かから菌をもらってしまい、爪にまで菌が入ってしまうというもの。完治までは時間もかなりかかってしまい、家族内感染率が高いのです。ネイルファイルを使う場合、使用後に毎回洗って消毒できるものならいいのですが、自爪用のエメリーボードのほとんどは使い捨てを前提とし、洗うことができません。

    目地に残った菌が足から手へ、家族の誰かから誰かに感染が広がってしまうケースも多く手と足それぞれ分けるのはもちろん、家族であっても自分専用の物を用意することが望ましいです。

    特にエメリーボードは4種類の中でいちばん価格もお手頃で、購入の際にまとめ買いしやすいという特徴も。家族分、予備も含めて多めにストックしておくと余裕をもって使えますね。

    ネイルファイルは使い捨て?洗える?

    どのネイルファイルが洗えるのか、商品には明記されていない事も少なくありません。プロネイリストは各自で判断できる前提なので、そうでない場合、知識がないままたくさんの商品の中から選ぶのはとても難しいです。ここでは誰でも簡単に繰返し洗えるのか使い捨てかを見分けられる方法をお伝えします!

    ネイルファイルの洗えるor洗えないの見分け方

    洗えるor洗えないのわかりやすい見分け方は、ネイルファイルの真ん中にプラスチック製の板が挟んであるかどうかという点です。

    真横から見てみるとわかりやすく、洗える物は白やカラーのラインが入っているのが見え、厚みもしっかりあります。このプラスチック板を挟む事で水洗いやエタノール消毒の際に水分を含んでも変形しないように作られています。だいたい人工爪用のウォッシャブルファイルと仕上げに使用するスポンジバッファーが洗えて、自爪用のエメリーボードが洗えない、という分類になっています。

    いちばん上は洗えないエメリーボード、
    下3点はプラスチック板ありの洗えるウォッシャブルファイル

    洗えるウォッシャブルファイルとは

    洗えるファイル=ウォッシャブルファイルは人工爪用向けに作られており、洗って繰り返しの使用が可能。ジェルネイルやスカルプを施した状態の爪の長さや形を整えたり、オフの際にリムーバーを浸透しやすくする為のサンディングに使用します。粗さは80~240G程度までありますが、セルフでジェルネイルをするなら150~180Gがおすすめ。

    洗えないエメリーボードとは

    洗えないファイル=エメリーボードは自爪の長さを整える専用で、使い捨ての製品が主流。主に木や紙の薄い板の両面にヤスリが貼ってあり、ウォッシャブルファイルに比べてかなり薄く作られているので慣れればすぐに見分けがつくようになります。おすすめの粗さは180~240G程度で、爪の薄い人やダメージのある爪は細かい200G以上を選んでみてください。
    使い捨てとはいえもちろん複数回使用できるので、毎回ファイルに付いたダストをブラシなどできれいに払いましょう。素材の例外として、少し高価にはなりますがガラス製やステンレス製のエメリーボードもありこちらは洗って繰り返し使うことができます。

    上から紙製、ステンレス製、ガラス製

    自宅でできるファイルのお手入れ方法

    実際使った後のお手入れって何をすればいいの?という方も多いはず。サロンとは設備の違うご自宅ではどんなふうにしたらいいのか、今すぐにできる方法をご紹介します。

    準備するのは4点だけ

    準備するのはネイル用ダストブラシ歯ブラシキッチンペーパーエタノールなどの消毒用スプレーの4点。ダストが気になる人はマスクやゴム手袋もあれば安心です。



    ファイルのお手入れは4つの手順で大丈夫 


    ①ネイルファイルについたダストを両面とも丁寧に払い落とします。

    ダストが舞わないよう、低い位置で静かに払う


    ②シンクで水を流しながら目地に残ったダストも歯ブラシで取り除きます。

    エッジや裏面も忘れずに


    ③キッチンペーパーで軽く水分を押さえ取り、1つずつ重ならないように乾燥させます。

    ファイルに引っかかるコットンやティッシュは使わない
    瓶やコップに立てて両面を乾かす


    ④乾いたのを確認して消毒スプレーを全体に。再度しっかり乾くまで待って保管します。

    10cm程度離してスプレーする

    使った後は毎回ダストをすべて落としてから清潔に保管しましょう!
    洗えるウォッシャブルファイルの手順は①②③④、
    洗えないエメリーボードは①④です。

    大事なポイントは③で乾燥させる時に両面しっかり乾かす事と、変形させないようにする事。ベタっと平置きすると裏面が乾かなかったり、洗濯バサミで挟むやり方ではスポンジバッファーの角が潰れて使いやすさも半減してしまいます。できたら紫外線、日光に当てることもおすすめします。

    ハウツー動画はこちら

    ファイル交換の目安は?

    ファイルを何度も繰り返し洗って、「これっていつまで使えるんだろう?」と思いながらなんとなく使ってしまう、ファイルの交換時って実は結構わかりにくいものです。簡単にいうと『削れなくなったら交換』なんですが、ファイルは相当摩耗していてもまったく削れない事はないので使い続けてしまいがち。
    でも削れないからといってつい力を入れてしまうと、爪ダメージの原因になってしまいます。

    ・見た目で→ロゴが薄くなっている、下地が見えている
    ・触って→新品と比べてあきらかに摩耗している
    ・使って→力を入れないと削れない

    こんな時はもう替え時。新品も常に用意しておくと比較しやすく、見慣れて摩耗したものを使い続ける、なんてこともなくなりますよ。
    引退したファイルも、新品を下ろすときのエッジのあたりを取る面取りや、ウッドスティックの削りに使えるので捨てずに有効活用しましょう。

    上が新品、下が替え時のエメリーボード

    爪やすり、ネイルファイルの選び方をご紹介しましたがその人の爪の厚みやコンディションに合わせてストレスのないもの、削った時に振動や違和感のないものを選ぶことがネイルケアを好きになるコツです。同じグリッド数が書かれていてもメーカーによって粗さや削り心地が違っていたり、ネイルファイルの長さも変わってくるので使用感は本当に様々。

    いろいろ使っていくうちにだんだんと自分の使いやすいタイプがわかってくるので、気になったら試してみるのもいいと思います。爪は年齢も性別も関係なく一生伸び続けるものなので、私達は死ぬまで爪やすりを使い続けます。
    一生使いたくなるような、コレだ!という運命の1本に出会えますように。


    【ご案内】
    GRANJEのネイルファイルは実はとっても秀逸。手にも足にも使いやすいコンパクトなサイズ感だけでなく、横から見たら真ん中にプラスチック板!ということは自爪用のエメリーボードなのに洗えるんです。

    100と180Gの両面仕様、ロゴのある180Gの面は自爪に、100Gの面はジェルをオフする際のトップジェル層のサンディングに使用できるように作られていて、ウォッシャブルファイルとエメリーボードを1本でこなします。何度も洗えてコスパも優秀!ぜひ1度おためしください。

    *追記 ついにGRANJEにもネイルバッファ(スポンジファイル)が仲間入りしました!
    (使い方の詳細コラムはこちらから)


    お知らせ

    持つ、剥がせる、傷まない。
    みんなが待ち望んでいたジェルネイルキットがついに登場。

    詳細はこちらをご覧ください。

    by miura