セルフジェルネイルでブラシや中身が固まった!原因と対策、ブラシを復活させる方法。


たまにグランジェユーザーの方からお問い合わせをいただくことがあるのが、ジェルの中身やブラシが固まってしまったという事例。グランジェに限らず他のブランドのジェルを使用している方でもやってしまったことがあるという方もいると思います。実は私も何度かあります。
ジェルが固まってしまうということは、ジェルの成分が必ず何かに反応してしまったということ。ジェルやブラシにライトを当てているつもりがなくても何かしらの原因があります。

そこで、どれくらいの距離や時間で硬化が始まってしまうのか、どういった状況で中身やブラシが固まってしまうのかなどをグランジェのジェルを使用して検証してみました。セルフジェルネイルのときに気をつけたい注意点や固まってしまったブラシの回復法も合わせてご紹介します。

目次

    ジェルが固まる仕組み

    「ジェルはライトを当てると固まる」とご存知の方は多いと思いますが、なぜライトの光で固まるのかは知らないという人の方が多いかもしれません。
    ジェルがライトの光で固まる理由はジェルの成分に光重合開始剤というものが含まれているから。この成分がライトの光に反応することで他の成分が化学反応を起こして結合し液体から個体へと変化する仕組みとなっています(ジェルの成分について詳しくはこちら)。

    ジェルやブラシが固まってしまう原因

    ジェルやブラシが固まってしまったときの主な原因は以下の4つです。

    気づかないうちにライトが当たっていた

    ジェルが固まってしまった原因として一番多いのがこれ。でも実際は自分がいつジェルやブラシにライトを当ててしまったのか分からないことがほとんどです。そのため、「なんで固まったのかな?」と疑問に思う人もいると思います。

    グランジェのネイルキュアライトは一点にしか光が当たりませんが、ネイルにライトを当てているときに漏れた光が当たって固まったり、ボトルやブラシを持ったままライトを使用するとライトの光が近距離から当たってしまって固まってしまうといことがあります。
    5本指が入る置型のライトでも、光が漏れる範囲が広いので、その範囲内にジェルやブラシを置いたままにしていると固まってしまいます。

    また、ブラシの先端部分だけにライトが当たっていて固まり始めたジェルを気づかずにボトルに戻してしまった場合など、化学反応が始まってしまったジェルがボトル内のジェルとも反応してそのままどんどん反応が広がってしまい、次使おうと思ったときには蓋を開けようとすると中身のほとんどが固まっていて開かない、なんてこともあります。

    日光や室内照明が当たっていた

    ネイルライトは当てていなくても、窓際で施術したり、保管場所が直射日光のあたる場所だったときはジェルが固まってしまいます。また、直射日光じゃなくても、部屋の床や壁などから反射して日光の光がジェルに当たってしまうことも。日光だけではなく、デスクライトや室内の証明でも近い距離から長時間当たっていた場合などはジェルが固まってしまうことがあります。

    補足として、なぜ日光や室内照明で固まってしまうことがあるのか説明すると、
    ジェルネイルに使われるジェルはある一定の波長の光で固まるように作られています。グランジェは405nm(ナノメートル)。そのためネイルキュアライトも405nmの波長が出るように設定されていますが、日光や室内照明の光にも405nmは含まれているのでそれがジェルに当たれば硬化してしまうというわけです。
    また、405nmではない波長でも光重合開始剤が反応してしまうことがあります(特に365nmなど)。

    ジェルと照明器具の距離や光の強さなど環境によってどの程度ジェルが固まるかどうかは分からないので、日光や照明が当たっていたらすぐに固まってしまうというわけでもないのですが、その可能性もあるということは覚えておいていただきたいです。

    経年劣化

    ごく稀に、未開封のものでも中身が凝固してしまうことがあります。
    特にジェルの成分に含まれる顔料の分量が多いと経年劣化により固まりやすくなるようですが、ここは調査中でもありますのでまた新たな情報がありましたらここで更新しようと思います。また、低温下での保存も原因となりえますのでご注意ください。
    もしご購入された商品が未開封で凝固したものがあれば交換対応させていただきますので、カスタマーサポートまでお問い合わせください。

    ジェルが固まる距離と時間の検証

    前述で、ブラシやボトル内のジェルが固まってしまったときに一番多い原因がライトの光が当たることだと説明しました。

    そこで、今回はグランジェのネイルキュアライトと065 ココアを使用して、どのくらいの距離からどのくらいの時間光が当たればジェルが固まってしまうのかを検証してみました。

    今回はセルフジェルネイルの施術中にライトの光が誤って当たってしまった場合を想定して距離や時間を設定しました。
    グランジェの製品を使用した場合、爪に塗ったジェルにライトで照射する規定の距離は3〜5cm、ジェルが仮硬化する時間はカラージェルなら10秒です。もし仮に誤ってライトの光がブラシやボトルに当たったとしても近くても約10cmくらいは離れていると思います。ということを考慮に入れ、設定する距離と時間は以下のようにしました。

    【ジェルとライトの距離】

    ○ 20cm
    ○ 10cm

    【ライトを当てる時間】

    • 3秒
    • 10秒
    • 20秒
    • 30秒

    このように2つのライトを用意し、同じ距離に設定して秒数を変えてライトを照射し、どれくらいの距離と時間でジェルが固まっていくのかを計測しました。

    パレットの上に出すジェルの量は一度に塗る量と同じくらいにします。

    【結果】
    ○ 距離20cm

    • 3秒ー全く固まらない
    • 10秒ー表面のみ皮膜ができるくらい固まる
    • 20秒ー仮硬化しているが、内側が固まらず半熟状態
    • 30秒ー仮硬化の状態。内側も固まっている

    ○ 距離10cm

    • 3秒ー少しだけ固まり始めている
    • 10秒ー仮硬化しているが、内側が固まらず半熟状態
    • 20秒ー仮硬化の状態。内側も固まっている

    ※グランジェの製品を利用した実験なので、他社製品のものが同じ結果になるとは限りません。

    結果を見ると20cm離れたところからでも10秒以上時間が経てばジェルの硬化は始まってしまうことが分かります。10cm離れたとこなら3秒で硬化が始まってしまいます。3秒なんて誤ってライトが当たっていても気づかないですよね。
    ネイルに塗って固めるときの規定の照射距離は3〜5cmですが、誤って10cm~20cm離れたところから光が当たった場合でもジェルは固まってしまうことが分かりました。今回はカラージェルで実験しましたが、トップジェルだと更に硬化しやすくなります。そのためジェルがついたブラシに上記と同じ距離でライトの光が当たると約10秒以上時間が経てばブラシは固まってしまう可能性がとても高いということです。

    ボトルに入ったジェルが固まるか検証

    ライトの光でボトルに入っているジェルが固まってしまうことがあるのかを以下の2パターンに分けて検証しました。

    1. ボトルの塗装された面に光が当たると中のジェルは固まるのか。
    2. ジェルのボトルを持ったままライトを使用した場合、ボトル内のジェルは固まるのか。

    【検証方法】

    1. 塗装されたボトル側面に10cmの距離からライトを10秒、20秒、30秒の3段階に分けて照射。
    2. ジェルのボトルを持ったままでネイルに塗ったジェルに規定距離からライトを当てる。ボトルの蓋を軽く閉めた状態と開けた状態、両方でライトを10秒照射し比較する。

    【結果】

    1. ボトル側面に10cmの距離から30秒光が当たってもボトル内のジェルは固まらなかった。
    2. 蓋を軽く閉めたときはボトルネックの一番上に付着したジェルのみ硬化した。蓋を開けたときはボトルネックの塗装されていない部分全体が硬化が進み、粘度が高くなりボテッとしていたが、どちらもボトル内のジェルすべてが固まることはなかった。
    実験後にボトルの縁についたジェルが硬化したもの

    ボトルの蓋がしっかり閉まっている状態のときはライトの光が当たっても中のジェルは固らない。しかし、蓋をただかぶせただけの状態や、開いたままの場合はライトの光が当たるとボトルのネジ部分についたジェルは固まる可能性が高いことがわかりました。

    施術中に気をつける点

    施術中に誤ってジェルやブラシが固まらないように気をつけるポイントは3つ。

    ジェルとライトの持ち方

    グランジェのネイルキュアライトは1点にしか光が当たらないため、光の向きをあまり気にせずに使用する方もいると思うのですが、ブラシやライトの持ち方によっては、ライトの光がネイル以外のところに当たりやすくなってしまいます。

    検証でもやりましたが、このジェルを塗られる方の手にボトルを持つやり方。
    確かに、爪とボトルの距離が近い分ジェルを継ぎ足したりまとめて数本の爪を塗ってしまうときにラクですが、ボトルを持ったままその流れでライトを当てるとライトの光がボトルやボトルの縁などに当たってしまう確率がとても高いです。

    実はグランジェの公式サイトのやり方動画もこの持ち方をしていまして、ライトを当てるときはボトルは持っていないのですが、間違ってボトルを持ったままライトを当ててしまうと危険なので悪い例ということであまり真似はしないでいただきたいところです……。

    ブラシを持つときは、ボトルはテーブルに置いたままでブラシだけを持つ。
    ライトを持つときは、ブラシやボトルは持たずにライトだけを持つ。

    というふうに施術したほうが誤ってジェルやブラシが硬化してしまうことを防げます。

    ジェルを置く位置

    施術中のジェルを置く位置は些細なことですがとても重要です。グランジェのポップアップイベントのときも、スタッフがお客様に施術するときにはとても気をつけている点です。
    とにかくライトの光が当たりそうな位置からは遠ざけておくことが大切です。

    このように、ライトの光が向いている方向にジェルやブラシを置いたままにしていると光が当たって硬化してしまいます。

    ライトを当てるときは、ライトの光の向きと反対側にジェルやブラシを置けば問題ありません。

    5本指が入るライトでもこのように光が漏れている場所にジェルやブラシを置くと固まってしまいます。

    ジェルの蓋は必ず毎回閉める

    ジェルのボトルの蓋は使っていないときは必ず閉めておいてください。蓋は使う直前に開けて、使い終わったらすぐ閉める。

    よくあるのが、最初にベース・トップ・カラーの全部の蓋を開けて施術が終わるとまとめて全部閉めるやり方。

    前述しましたがジェルは室内照明でも固まることがあります。使い終わったジェルや、後から使うジェルなどの蓋を開けっ放しにしておくと中身のジェルにずっと室内照明が当たっている状態になるので、それだけで固まるかはわかりませんが固まる可能性はあります。蓋はできるだけその都度閉めるようにしましょう。

    また、蓋を戻すときにただかぶせるだけで、このようにネジ部分が見えてしまっているのも危険です。きっちり閉めなくても、透明のところが見えなくなるところまでは閉めてください。

    ブラシの戻し方と保管方法

    施術後にブラシを戻すときは軸の根元からブラシの先までジェルクリーナーでしっかり拭いてきれいにしてから戻します。ボトルの縁についたジェルもきれいに拭き取ってから片付ける。そうすることで、ボトルの中のジェルにほこりなどの異物が入ることを防ぎます。

    また、保管の際も日光や照明の当たらない冷暗所に立てて保管しておくことで、中身が固まったり劣化の促進を防ぐことができます(保管方法について詳しくはこちら)。

    ブラシが固まってしまったときの対処法

    もし万が一ブラシが固まってしまったときにおすすめのブラシ回復法をご紹介します。
    ブラシが固まって困っている方は、参考にしてみてください。

    ※この方法はグランジェのボトルに付属のナイロンブラシのみ有効な方法です。グランジェの別売りのジェルブラシや他のジェルネイル用の筆などで行うと傷めてしまう原因となるので絶対にやらないでください。
    ※グランジェのトップジェルでブラシが固まった場合は、これからご紹介する方法でも改善できませんのでご了承ください。

    グランジェのジェルポリッシュに付属の黒色のブラシ。

    カラージェルがついた状態でライトを20秒照射し、ジェルが硬化した状態です。もちろんブラシもカチカチ。
    このブラシの固まったジェルを丁寧に取り除いていきます。

    1、キッチンペーパーにリムーバーをたっぷり含ませてブラシをはさむ

    ブラシについたジェルの表面に未硬化ジェルが残っている場合は、先にクリーナーを含ませたキッチンペーパーでみ効果ジェルを拭き取ってください。

    適度な大きさにカットしたキッチンペーパーに、リムーバーをたっぷり含ませたら、ブラシの固まっている部分を覆うようにはさみます。

    2、ブラシの根本からアルミホイルで包んで密閉する

    固まっているジェルにしっかりとリムーバーが浸透するよう、キッチンペーパーの上からアルミホイルで密閉します。
    キッチンペーパーがズレないよう注意しながら、ブラシの軸の根元から包みましょう。
    きれいに包めたら、最後にギュッとにぎり締めて密閉させます。

    3、10分〜15分待つ

    アルミホイルで密閉した状態で、10分〜15分待ちます。

    4、ウッドスティックでジェルを丁寧に落としす

    アルミホイルとキッチンペーパーをゆっくりと外し、パレットやトレーの上で優しく丁寧にジェルを落としていきます。
    このとき、力を入れすぎたり無理矢理ジェルを取ろうとすると、ブラシが抜けてしまうのでご注意ください。
    ジェルが取れにくい場合は、1〜3の工程を繰り返してみてください。

    ※アルミホイルにリムーバーを出すときは、陶器のお皿やステンレスのバットなど(プラスチック製は溶けてしまうのでNG)リムーバーがこぼれても大丈夫なものの上にアルミホイルを置いてやってください。テーブルの上でそのままやると、リムーバーが誤ってこぼれたときにテーブルや床の塗装が落ちてしまいます。
    ※硬化の程度によってはジェルが取れない場合もあります。

    5、クリーナーでブラシをすすぐ

    ジェルの塊が取れたら、パレットの上にジェルクリーナーを出して、ブラシに残った細かいジェルを綺麗にすすいで落とします。
    最後にキッチンペーパーでぶらしについたクリーナーをきれいに拭き取ればOKです。

    これでブラシがきれいに元通りになりました!

    再びジェルを取ってみましたが、なんの違和感もないです。
    ブラシを誤って固めてしまったという方はこの方法を試してみてください。

    ちなみに、もしブラシが軸の根元から外れてしまった場合、差し戻してキャップを締めると元に戻ります。
    軸が抜けた場合はこの方法で対処してみてください。

    ジェルネイルの施術中にジェルやブラシを誤って固めてしまうことはセルフユーザーだけに限らずネイリストでも意外とやってしまいがちなこと。セルフジェルネイルをする際は注意点に気をつけながら楽しんでいただければと思います。


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