こんにちは。ネイリスト講師の三浦です。
今日は前回から続いて足の爪、今回は夏のフットジェルネイルについてのお話です。
この時期、足の爪にジェルネイルをする人は急増します。
このフットジェルネイル、どのくらいの期間で付け替えしていますか?
人によっては2ヶ月くらいジェルが取れずについたまま、という人もいるほど。
手に比べて足の爪の付け替えのペースはゆっくりなのではないでしょうか。
「フットジェルってどのくらいで付け替えるべき?」
「オフしないでそのままにしても大丈夫?」
「つけっぱなしにしたらどうなるの?」
ポリッシュと違ってつけたら必ずオフすることが必要なジェルネイルですが、フットネイル自体を夏しかしない人も多く、このあたりってけっこう曖昧なもの。
目につく手のネイルは伸びたり浮いたりしたら気になるけど、足の爪ならまあいいか…となってしまいがち。
今回は実際にあった例も交えて、ジェルネイルをつける期間、爪トラブルを起こさないフットジェルネイルについてお伝えしていきます。
フットジェルネイルは5~6週間で付け替える
フットジェルネイルは、意外と長期間つけっぱなしにしている人も多いんですが、付替えの目安は5~6週間、だいたい1.5ヶ月です。
見た目的にきれいだからまだもう少しいけそう、と思っても付け替えがおすすめ。
日本の夏は湿度も高く、実は足手のひらと同じようにもかなり汗をかくので、ジェルネイルは浮きやすい環境にあります。知らないうちに浮いたところから雑菌が入ってしまうと爪トラブルの原因になりやすいので、一定期間できちんと付け替えが必要です。
足の爪は手の1.5倍伸びるのが遅い

出典:bnails.be
足の爪は手の爪よりも伸びるのが遅く、通常1ヶ月で1.5mmくらい。
足先をよく使う、特にスポーツをされる人はもう少し成長スピードがUPします。つま先をよく動かす=血流促進、代謝も良くなることで爪も伸びやすくなり、人によっては約1ヶ月弱の周期でフットジェルネイルの付け替えをすることも。
そして、個人差もありますが、暑い時期の方が爪の伸びは早くなります。冬より夏のほうが植物の育ちがいい、というイメージがわかりやすいでしょうか。
手のネイルの場合は、爪が伸びてきたから、と見た目で付け替えされることが多いのですが、足の爪はその実感がスローペースなため付け替え時期がわかりにくいと言われています。
目線から遠いこともあって伸びが目立ちにくい足の爪も、実はジェルネイルをつけてから約3週めくらいから根元が伸びた感じは出てくるので、このくらいから付け替え時期を意識するとちょうどいいかもしれません。
夏のフットネイル、みんなの頻度は?
フットネイルを夏だけに限るなら、サンダルを履くシーズンで、5月のGWから9月終わりの期間が目安。
この間を長くても1.5ヶ月サイクルとして、ひと夏でだいたい3回ほど付け替えるという頻度がいちばんスタンダードです。
もちろん、夏はもう少し早いサイクル、1ヶ月くらいでのフットジェルネイルの付替えもよくあること。
爪の伸びが早い方や、気温が上がればファッションの色味も変わるため、そこに合わせてカラーやデザインを変えたい、ネイルサロンならハンドネイルと同じ日にフットも付け替えたい、という方もいらっしゃいます。
では、実際はみんなどんな期間、周期でジェルネイルをつけかえているのかのデータがこちら。

出典:HPBネイル白書2020
1年間で何回ジェルネイルをしているのかというものなのですが、フットジェルの場合は年間8~10回程度。
これを日にちにすると、こんな結果になりました。
・ネイルサロンユーザーは47日
・セルフネイラーは34日
・全体では約4~6週間サイクルでフットジェルの付替えをしている
それから、ネイルサロンとセルフの差が2.85回=13日あって、ネイルサロンよりセルフの方がジェルネイル付け替えサイクルが短い、という結果になりました。
これにはいくつか理由が考えられます。
いつでも好きな時にネイルの付け替えができるセルフと要予約のサロンの違い、プロとセルフの技術と商材によるもちの差。
そして付け替えにかかるコストの違いも、大きな要因なのではないでしょうか。
1回の施術で¥5000~6000がいちばん多いとされるフットジェルネイル、ネイルサロンで頻繁にフットジェルを、というのはコスト的にも時間的にも余裕がなければ難しいもの。
「セルフなら、ネイルサロンほどもちはなくても、浮きや伸びが気になった時点ですぐ自分で付け替えられる」
このメリットはセルフならではです。
ハンドはネイルサロンに任せてるけどフットはセルフで、という人が多いのも納得。
ジェルリムーバーを持っていて、オフだけは自分でできます、というのも賢い選択ですね。
*セルフデビューはフットジェルネイルについてはこちら
フットジェルネイルをつけっぱなしにするとどうなる?

夏が終わる頃、今ついているフットジェルはどうしますか?
答えは3択。
①次のフットジェルに付け替える
②オフしてすっぴん爪に戻す
③そのまま放置
①と②、これはなんの問題もありません。
問題は③!
「サンダルの時期も終わるし、人に見られることもにないし、このままつけっぱなしでそのうち取れたり伸びてなくなるでしょ」
もしこんなふうに思っているのなら要注意です。
実は、このつけっぱなしのジェルネイルは爪トラブルを引き起こす可能性大!
本人すら気づかないうちに、つけっぱなしのジェルネイルの下で爪に異変が起きてしまうのが足の爪の怖いところです。
次の夏フットネイルをしようとして、ネイルサロンでオフしたら異変が見つかって病院→治療に1年もかかってしまった、なんて珍しくありません。
実際、私もそういうケースを何回か経験しています。
新規で来店されたお客様に施術できないことをお伝えするのはとても心苦しく思いますが、重症化させないためには一日も早い治療が大事。
そのまま爪の異変をジェルで覆い隠したりしたら、1ヶ月後はさらに大変な事態になってしまいます。
では、どうなっていたら注意が必要なのか、代表的な爪トラブルをご紹介します。
爪の変形、変色

出典:Scripps
伸びた爪が圧迫されることで起こる、爪の変形や変色。
爪が茶色っぽくなっていたり、白濁や黄ばみ等、健康な爪は陽明なピンク色に見えるのでそれ以外なら変色している可能性ありです。
ジェルが付いたままになっていることで、見た目には内出血や異変に気づきにくく、知らない間に悪化しやすいのもとても厄介なところ。
爪は1ヶ月に約1.5mmずつ作られ続けるのに、先端が圧迫されて普通に伸びることを邪魔されると、その分が凸凹した厚みのある爪になったり、上や斜め方向に伸びたり、とにかく爪はどうにかして成長しようとします。
こうなると、薄くてしなやかな健康な爪からはどんどん遠ざかっていってしまうのです。
グリーンネイル
グリーンネイルは名前だけでも聞いたことがある人も多いと思いますが、爪に緑色の、まるでカビが発生したように見える、『緑膿菌』という細菌で起こる爪トラブルです。
(でもグリーンネイルはカビではありません!)
手でも足の爪でも起こりますが、ネイルオフをしたら自爪が黄色〜濃い緑色になっていて、リムーバーで拭いてもとれない!
このパターンの人が多いのです。

もともと緑膿菌は自然環境や私達の体内にある常在菌ですが、湿気のこもりやすいところや汗をかきやすいところ
特に自爪とジェルネイルの間に隙間あると細菌が侵入し繁殖しやすくなります。
グリーンネイルは症状のレベルによって対処が異なりますが、共通しているのは、
・完治するまでネイルはできないということ、
・伸びるのが遅い足の爪の場合、その期間はさらに長くなってしまうということ。
ネイルを楽しめないどころか、長いと治療に半年から一年以上かかる深刻なケースも多いので、おかしいと思ったらネイルオフをして爪を削らずそのままの状態ですぐ病院へ!
グリーンネイルの詳しいお話はまた後日させていただきますね。
フットジェルネイルがすぐにオフできない!応急処置は?
ジェルネイルを付けてから本来オフするべき時期は過ぎちゃったけど…
時間がない!
オフの予約が取れない!
でも爪はジェルごと伸びてくるしどうしよう?
こんな時、焦って無理やりジェルごと爪切りで切ろうとしたり、浮きかけてるジェルをむしる。
そんなことをしないための応急処置をお伝えします。
安全な長さに保つ


出典:vnailweb.com
とにかく長い爪の状態でいることがトラブルの元になるので、ジェルが付いているなら、爪切りを使わず150~180G程度のファイル、
エメリーボードではなくウォッシャブルファイルで安全な長さまで削ります。
ジェルがすでにとれていて自爪の状態ならエメリーボードで。
* ジェルネイルの爪切り、足の爪の正しい形のコラムはこちら
清潔に保つ

ジェルネイルが伸びている場合、危険なのは自爪との隙間に水分が侵入してしまって菌が繁殖してしまうこと。
海やプール、汗をかきやすい足、特に夏は気温だけでなく雑菌が繁殖しやすい環境でもあるので注意が必要です。
足の裏、指の間まで、フット用ブラシで爪の間や溜まりがちな角質までしっかり洗ってスッキリ清潔に。
そして、足が濡れているお風呂上がりなどは、バスマットに乗るだけや自然乾燥ではなく、指の間や爪まわりまでしっかりタオルで水分オフ。これで雑菌の繁殖をかなり抑えることができます。
濡れたままの足でスリッパやルームシューズを履いてしまうと、また新たな菌の温床を作ってしまうことに…
足の裏とつま先は、実は体の中でも汗をかきやすいところで、その量は1日でコップ1杯分200mlと言われています。
特に汗をかきやすく蒸れやすい夏は、お出かけ前やお風呂上がりに菌の発生を抑えてくれるパウダーをなじませるひと手間で快適さは雲泥の差。


個人的には少量をフェイスパウダー用のパフなどに出して揉み込み、足首より下全体に広げながらなじませる方法がベスト!というのが試行錯誤の末にたどり着いた結論です。
こういうパウダーは、素手に出してなじませるとムラになってしまうし、どうしても粉飛びして服や床に散りやすいのが難点でしたが、パフを使うと粉も散らずムダもなく、手も汚れないのでお出かけ前にサッと使うことができます。
爪周りなど乾燥しがちな所には、ネイルオイルをパウダーの前に。
オイルをしっかり塗ったあとにパウダーをなじませれば、内側に潤いもキープしたまま表面はサラサラ。
しかもサンダルなどに嫌なオイルしみがつくのも防げるところもうれしいポイントです。
レザーサンダルにありがちな指跡つく問題も解決!
一般的にはミントや柑橘系の香りのものが多く、ボディ用からフット専用まで様々なブランドから出ているのでぜひお気に入りを見つけてくださいね。

夏はフットネイル、ペディキュアを楽しむ人が急増する季節。
今回は、実はとても大事な、フットジェルネイルの付け替え期間をメインにお話させていただきました。
今、フットジェルネイルをつけている人はあとどのくらいで付け替えなのか、なんとなくイメージできたらいいなと思っています。
手よりも目につく機会の少ないフットネイルは爪トラブルが発見されにくく、「まさか私が?」となる人がほとんど。
そして、新規のお客様や、数ヶ月ジェルネイルをつけっぱなしだった人に爪トラブルが多い傾向にあります。
フットネイル、ペディキュアをきちんとしたサイクルでする人は、自分やネイリストがちゃんと足を見る機会が多いため、意外にもネイルをしない人に比べて爪トラブルリスクが少ないのも事実。
ネイルする=爪トラブル、ではないのです。
ネイルを楽しむことが目的だったとしても、そのために正しいネイルケアをすることで、必然的に難しいと言われる足の健康も両立できる。これって実はすごいことなのです。
足こそ、まず健康であることが見た目の美しさの基本。
爪の状態がよくなると、姿勢や歩き方もすぐに変わってきます。
特に、靴底の減り方がわかりやすいくらい変化するので自分でも驚くはずですよ。
5~6週間でのジェルネイルの付け替えと、適切な爪の長さで清潔に保つこと。
意識的にしっかりケアをして、
この先ずっと、健康できれいな爪で、
長くネイルを楽しめる足でありたいですね。
参考 :Women’sHealth
:NPO法人日本ネイリスト協会
:MOORE foot and Ankle
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